The Negligible Lab

Astray in the forest of electrical and electronic circuits. Adrift in the gap between time and frequency domains. 独立独歩を是とする。

JupyterLab

Pythonによる車輪形倒立振子の線形化と最適レギュレータ

はじめに P計画 Pythonの数式処理ライブラリSymPyには力学系を取り扱うためのsympy.physics.mechanicsというモジュールがあります(以降,“SymPy Mechanics”とも呼びます)。本ブログでは前回,このSymPy Mechanicsの仕組みを活用して車輪形倒立振子の運動方…

Pythonによる車輪形倒立振子の運動方程式の導出

はじめに P計画 前々回,前回にて台車形倒立振子の運動方程式を導出し,シミュレーション,アニメーション,線形化,最適レギュレータの作り方について書き散らして参りました。本記事以後,いよいよ台車形から車輪形の倒立振子に歩みを進め,運動方程式の導…

Pythonによる台車形倒立振子のシミュレーション

はじめに P計画 車輪形倒立振子を作る──この目標に対して問題を分解しながらアタックするため,前回にて床を転がる車輪のシミュレーションとアニメーションをPython (+ NumPy, SciPy, Matplotlib)で実現した経緯をまとめました。次は振り子をシミュレーショ…

Pythonによる車輪のシミュレーションとアニメーション

はじめに P計画 2023年を迎えて2月に入り,その2月も終盤に差し掛かろうとしています。三寒四温──もう春が近いですね… 筆者が年初に思い描いた目標の1つに「車輪形倒立振子を作る」があります。ESP32等のマイコンモジュールとMPU6050等のジャイロセンサ,モ…

2次遅れ系の時間応答と減衰係数ζについての素朴な疑問

はじめに 今回は古典制御理論の初歩的なある事柄に関して筆者が抱いていた素朴な(あるいは幼稚な)疑問に関する書き散らしとなっています。あらかじめご了承下さい。 さて,2次遅れ系 のインパルス応答やステップ応答は,減衰係数ζ (> 0)の値によって3つに…

FFTを訪ねて[前編]電気屋としての理解を探る

はじめに FFTと私 高速フーリエ変換(Fast Fourier Transform, FFT)は,通常の離散フーリエ変換(Discrete Fourier Transform, DFT)に比べて非常に高速なアルゴリズムとして知られており,ランダウの記号を用いると,DFTの計算量がO(N2)であるところ,FFTではO…

LTspiceで三相PWM整流器を作る ~直流電圧制御編~

はじめに 三相PWM整流器および単相を含む一般の系統連系変換器においては,交流電流制御系の上位(外側)に直流電圧制御系を設けます。 直流電圧を制御するためには交流電流を制御する必要があるとも言えます。 マイナーループである電流制御系に対して,直…

系統連系インバータの電流制御と系統インピーダンス

はじめに 本ブログでは,電流制御とその安定性に関する記事をいくつか書いて参りました。例えば,下記記事では,サンプル & ホールドと1サンプル遅れを考慮した場合の安定性について,連続時間系に近似した伝達関数に基づく考察を加えてみました。 negligibl…

伝達関数の直接的プロット法と電流制御系

はじめに 線形連続時間時不変システムの入力と出力をラプラス変換(s領域で表現)し,出力と入力の比(=出力÷入力)をとったものを伝達関数と呼びます。 入力が単位インパルス(δ関数)である場合,そのラプラス変換は1ですから, 伝達関数は単位インパルス…

続・LTspiceによる電流制御のシミュレーション

はじめに 先日の記事で,LTspiceによる電流制御のシミュレーションについて述べました。 negligible.hatenablog.com この記事の中で私個人としてひとつの発見と言えるのは, 操作量に対してむだ時間T,フィードバック量に対して窓Tの移動平均フィルタを施し…

連続系の代表的な伝達関数の双一次変換による離散化

はじめに 連続系では1次遅れ要素や2次遅れ要素など,代表的な伝達関数というものがあります,例えば, などですね。 制御器やフィルタなどをもともと連続系で考えていた場合,マイコンやFPGAに実装しようとする際には離散系に変換する必要が生じます。 この…