The Negligible Lab

Astray in the forest of electrical and electronic circuits. Adrift in the gap between time and frequency domains. 独立独歩を是とする。

ディジタル信号処理

ESP32マイコンで商用電源品質監視装置を作る

はじめに 本ブログも実質的に3年目に入りました。このところ半年以上も新しい記事を投稿できておりませんでしたが,一応,生存はしております。筆者が多忙を理由に怠惰ゆえに本ブログを放置していた間に,世界史を画するような大事件がいくつも起こりました…

Raspberry Piで地震計を作る ③ センサ・全体構成編

はじめに Raspberry Piによるマイ地震計を作るため,前々回にて計測震度計算プログラムを,前回にてタイマ割込みやマルチプロセッシングなどリアルタイム処理を作って参りました。今回は,Raspberry Piに加速度センサとOLEDディスプレイを接続し,プログラム…

Raspberry Piで地震計を作る ② リアルタイム処理編

はじめに 前回と今回で,Raspberry Piを用いたマイ地震計について書いております。前回は加速度の時系列データから計測震度を計算するPythonプログラムについて述べました。 前回挙げた開発課題を再掲します。 震度計算プログラムの実装 システムコールsetit…

Raspberry Piで地震計を作る ① 震度計算編

はじめに 世界の地震の10%以上が日本で発生している──。巷間よく言われていることですが,先日も東京23区と埼玉県で10年ぶりに震度5強を観測したばかりであり,地震について考えない日はないと言っても過言ではないでしょう。 地震が発生した際に,気象庁の…

FFTを訪ねて[後編]PythonとC++で作ってみる

はじめに 11月に入っていよいよ秋が深まって参りましたが,いかがお過ごしでしょうか? さて,前記事にて,高速フーリエ変換(Fast Fourier Transform, FFT)に対する筆者なりの理解の仕方をまとめました。周波数間引き(decimation-in-frequency)型のCooley-Tu…

FFTを訪ねて[前編]電気屋としての理解を探る

はじめに FFTと私 高速フーリエ変換(Fast Fourier Transform, FFT)は,通常の離散フーリエ変換(Discrete Fourier Transform, DFT)に比べて非常に高速なアルゴリズムとして知られており,ランダウの記号を用いると,DFTの計算量がO(N2)であるところ,FFTではO…