The Negligible Lab

Astray in the forest of electrical and electronic circuits. Adrift in the gap between time and frequency domains. 独立独歩を是とする。

2020-07-01から1ヶ月間の記事一覧

NumWorksのグラフ関数電卓でナイキスト線図を描く

はじめに フランスのNumWorks社によるグラフ関数電卓(本記事では便宜上,電卓についても「NumWorks」と呼びます)は,比較的低価格,MicroPython搭載,ファームウェアアップデートが頻繁,ハードウェア・ソフトウェアの仕様が公開されている等の特徴を有し…

伝達関数の直接的プロット法と電流制御系

はじめに 線形連続時間時不変システムの入力と出力をラプラス変換(s領域で表現)し,出力と入力の比(=出力÷入力)をとったものを伝達関数と呼びます。 入力が単位インパルス(δ関数)である場合,そのラプラス変換は1ですから, 伝達関数は単位インパルス…

続・LTspiceによる電流制御のシミュレーション

はじめに 先日の記事で,LTspiceによる電流制御のシミュレーションについて述べました。 negligible.hatenablog.com この記事の中で私個人としてひとつの発見と言えるのは, 操作量に対してむだ時間T,フィードバック量に対して窓Tの移動平均フィルタを施し…

LTspiceのための単相変圧器モデル

はじめに LTspice XVIIにはいわゆる「変圧器」のモデルが用意されておりません。 2つのインダクタをschematic上に置き,それらの間に結合係数kを設定すると,変圧器として機能させることができます。 図1: シンプルな結合インダクタの例 さて,LTspiceで変圧…

移動平均フィルタとサンプル & ホールド

はじめに サンプリング周期がであるサンプル & ホールド(S&H)の伝達関数は,近似的に と書けることが知られています。 これは移動平均フィルタ(moving average filter, MAF)の伝達関数と完全に一致します。 何となくそうなりそうな気もしますし,本当にそう…

LTspiceによる電流制御のシミュレーション

はじめに 電圧形インバータを用いてモータを制御したり,系統連系したりする場合,電流制御*1が必須となります。 昨今はオペアンプ等でアナログ制御*2することは稀で, 制御ハードウェアとしてはマイコンやDSP (digital signal processor),FPGA (field-prog…