The Negligible Lab

Astray in the forest of electrical and electronic circuits. Adrift in the gap between time and frequency domains. 独立独歩を是とする。

パワエレ

数値表現のインピーダンスをα-β座標系からd-q座標系に移す

はじめに 前記事にて三相LCL回路のd-q座標系におけるインピーダンスをHarnefors氏の論文に基づいて(SymPyの力添えを拝借しながら)導出し,LTspiceによる周波数スキャン(frequency response analysis, FRA)の結果と一致することを確認しました。 negligible…

三相LCL回路のd-q座標系におけるインピーダンスを求める

はじめに 系統連系インバータと電力系統の相互作用によって,システムが不安定になることがあります。本ブログでは,過去の記事にて電流制御系と系統インピーダンスの相互作用について検討したことがあります。系統連系インバータの外乱応答(インピーダンス…

Raspberry PiでBLDCモータを120°通電制御する

はじめに 本ブログの前々記事にてブラシレスDC (BLDC)モータの120°通電制御について書きました。STMicroelectronicsのモータ制御開発キットP-NUCLEO-IHM001の制御装置はもちろんSTM32マイコンの載ったNucleo F302R8です。 このNucleoをRaspberry Piに繋ぎ替…

LTspice用制御ライブラリContraille ~概要編~

はじめに 随分と間が開いてしまいましたが,如何お過ごしでしょうか? さて,今年(2021年)の元日,ぱわみ社さんより「パワーエレクトロニクス」第2号が発行されましたが,大変光栄なことに,本ブログの内容を基にして私もそこに寄稿させて頂きました。まさ…

ブラシレスDCモータのホールセンサ付き120°通電制御

はじめに モータ制御への思い 交流電動機の可変速制御──。私のごく個人的な思いに過ぎませんが,そう,それこそがパワエレの本家本元ではないでしょうか。 パワーエレクトロニクスを学び,(ある程度)実践してきた私ですが,モータ制御を理解していないこと…

LTspiceで三相PWM整流器を作る ~直流電圧制御編~

はじめに 三相PWM整流器および単相を含む一般の系統連系変換器においては,交流電流制御系の上位(外側)に直流電圧制御系を設けます。 直流電圧を制御するためには交流電流を制御する必要があるとも言えます。 マイナーループである電流制御系に対して,直…

LTspiceで三相PWM整流器を作る ~モデル作成編~

はじめに 前記事から間が開いてしまいました。もう秋に入りつつありますが,まだまだ暑い日が続いていますね。 本記事では,LTspiceで三相PWM整流器(回生もできるので,一般の三相系統連系変換器*1として考えてください)を作った過程を書いてみました。 自…

系統連系インバータの電流制御と系統インピーダンス

はじめに 本ブログでは,電流制御とその安定性に関する記事をいくつか書いて参りました。例えば,下記記事では,サンプル & ホールドと1サンプル遅れを考慮した場合の安定性について,連続時間系に近似した伝達関数に基づく考察を加えてみました。 negligibl…

伝達関数の直接的プロット法と電流制御系

はじめに 線形連続時間時不変システムの入力と出力をラプラス変換(s領域で表現)し,出力と入力の比(=出力÷入力)をとったものを伝達関数と呼びます。 入力が単位インパルス(δ関数)である場合,そのラプラス変換は1ですから, 伝達関数は単位インパルス…

続・LTspiceによる電流制御のシミュレーション

はじめに 先日の記事で,LTspiceによる電流制御のシミュレーションについて述べました。 negligible.hatenablog.com この記事の中で私個人としてひとつの発見と言えるのは, 操作量に対してむだ時間T,フィードバック量に対して窓Tの移動平均フィルタを施し…

LTspiceによる電流制御のシミュレーション

はじめに 電圧形インバータを用いてモータを制御したり,系統連系したりする場合,電流制御*1が必須となります。 昨今はオペアンプ等でアナログ制御*2することは稀で, 制御ハードウェアとしてはマイコンやDSP (digital signal processor),FPGA (field-prog…