制御電源のLaplaceオプションの罠
Laplaceオプション
LTspiceには
- ビヘイビア電源(B, Arbitrary behavioral voltage or current sources)
- 電圧制御電圧源(E, voltage-dependent voltage source)
- 電流制御電流源(F, current-dependent current source)
- 電圧制御電流源(G, voltage-dependent current source)
- 電流制御電圧源(H, current-dependent voltage source)
の各種制御電源が用意されておりますが,上記のうちB, E, GにはLaplaceオプションが用意されております。 これは,入力信号に対して,Laplaceオプションで記述した伝達関数を(周波数領域で)乗じたものを出力とする機能であり, ある意味で非常に強力です。
罠とは何か
2次系のハイパスフィルタ(HPF)の伝達関数は次式で書けます。
ご存じの通り,は減衰係数,は固有角周波数です。
続きを読む連続系の代表的な伝達関数の双一次変換による離散化
はじめに
連続系では1次遅れ要素や2次遅れ要素など,代表的な伝達関数というものがあります,例えば,
などですね。
制御器やフィルタなどをもともと連続系で考えていた場合,マイコンやFPGAに実装しようとする際には離散系に変換する必要が生じます。 このときのテクニックのひとつに双一次変換(bilinear transformまたはTustin transformとも)があります。これは,
として,領域の伝達関数を領域の伝達関数に変換する手法です。ここではサンプリング周期です。
動機と方法
双一次変換については,各種教科書・参考書で「変換できる」という記述は見掛けるのですが,実際に(記号計算として)変換した結果はあまり見たことがありませんでした。 そこで,Pythonの数式処理ライブラリSymPyを用いて,計算してみることにしました。
結果
連続系の様々な伝達関数を双一次変換してみました。結果は下表をご覧下さい。
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